2013/08/07 更新

麻生副総理、「ナチスに学んだら」発言に抗議、大臣も議員も辞職を

「兵庫・憲法県政の会」は7日夕、神戸元町大丸前で、

麻生副総理が行った「ナチスの手口に学べ」発言への抗議宣伝をしました。

麻生氏の大臣と議員の辞職を求めるとともに、

任命した安倍首相の責任もきびしく指摘しました。

【訴えの大要】

麻生太郎副総理は7月29日、都内の集会で、

改憲問題にからんで、ナチス政権の「手口に学んだらどうかね」と発言しました。

この発言に対し、国内外に大きな批判が広まりました。

・米(ナチスの犯罪追及・民間団体)

「ナチスが権力を握り、世界を地獄の底へと導き、

人類を恐怖に陥れたことを麻生氏は忘れたのか」

・中国の外務省 

「アジア諸国や国際社会の注目と警戒を引き起こさざるを得ない」

・ドイツの週刊誌 

「ナチス時代についての肯定的な発言で国際的な憤激を引き起こした」

・フランスの新聞 

「麻生氏の発言は暴徒である」

・米紙ワシントン・ポスト 

「麻生氏が歴史への無理解をさらけ出し、日本の国益を損ねた」

・英国のロイター通信 

「過去の戦争に対する安倍政権の恥知らずな基調と解釈のせいで、

隣国の韓国や中国から絶えず批判が出ている」

 

こうした批判に麻生氏は1日、発言を「撤回したい」と談話を発表しましたが、

「真意と異なり誤解を招いた」と謝罪を拒否しています。

戦後の国際社会は、ナチス・ドイツや日本が引き起こした戦争を侵略戦争と断罪し、

その蛮行を繰り返さないことを土台に形成されました。

そのナチスの手口を肯定することは、政治家としての資格が問われる重大な発言です。

このような人物に、

大臣はもとより、国会議員としての最低限の資格すら備えていないと言わざるを得ません。

私たちは、

安倍政権に対して麻生副総理の大臣罷免を求めるととともに、

麻生副総理自身の国会議員辞職を強く要求します。

同時に、私たちは、

このような副総理を任命した安倍首相の責任も重大だと考えています。

安倍首相は4日、

「ナチス肯定はあってはならない」と記者会見で述べましたが、

「撤回」を理由に責任を問わない考えも明らかにしました。

麻生氏の発言が閣僚としての資格はもちろん、

政治家としての資格も問われるものです。

その責任を問わないとする安倍首相の姿勢では、

記者会見で、「「ナチス肯定はあってはならない」と言っても、

国民も国際社会も信用することはできません。

 

麻生氏が「学べ」と言う 「ナチスの『改憲』の手口」とは何でしょうか。

ナチスは、1929年後の世界恐慌の中で、

不況と貧困に苦しむドイツ国民をデマで煽動し、

民主的憲法を破壊し、戦争と遂行し、民族虐殺の戦争犯罪を行いました。

私たちは、そのヒトラーの「手口を学べ」などとする

麻生発言を絶対に許すことはできません。

ナチスは、1933年に国会放火事件をデッチ上げ、

ドイツ共産党などを弾圧した上で、

自らが国家の全権をにぎるために「全権委任法」を成立させました。

そして、当時としては極めて進歩的・民主的とされた

「ワイマール憲法」を敗戦まで機能停止に追い込みました。

その上で、侵略戦争を引き起こし、600万人を殺害したとされるホロコースト(ユダヤ人などの大量虐殺)などの数々の戦争犯罪をしてきました。

ドイツは戦後、ナチスの蛮行を徹底して批判し反省する

「過去の克服」に取り組むことで国際社会に復帰してきました。

そして、いまなお、ナチスの犯罪を追求し続けています。

そのナチスから「学んだら」という麻生氏の発言は異常なものでしかありません。

第二次大戦後の国際社会は、

日独伊(ファシズム国家)が引き起こした残虐な侵略戦争と蛮行を、

二度と繰り返さないことを土台につくられました。

ナチスの復活を許さない断固とした動きは、

当のドイツだけでなく世界の戦後史で示されてきています。

こうした歴史認識から大きく逸脱し、

国際社会に挑戦するのが「自民党憲法草案」です。  

国防軍や軍事法廷をつくっていく方向とともに、

「緊急事態」の定めもはっきり書いています。

つまりワイマール憲法下で、

「非常事態」を口実に導入された「全権委任法」により、

憲法を執行停止させ、一挙にファシズム化させたやり方を、

そのまま自民党憲法草案に持ち込んでいこうとしているのです。

 

「兵庫・憲法県政の会は、

今回の麻生発言にみられるように、

その危険性を隠して進めようとしている安倍政権の憲法改悪の動きを許さず、

みなさん方といっしょに平和憲法を守る運動に取り組んでいきます。